添乗体験記:須川高原温泉での延泊エピソード

添乗で岩手県須川高原温泉に2泊3日の予定で宿泊したことがあります。

岩手、宮城、秋田の3県にまたがる栗駒山の中腹にある温泉です。

1日目東京駅を8時に出発して安達太良サービスエリアで自由昼食、厳美渓を観光して宿に着いたのは17時でした。

距離があるので運転手さんは2名でした。

翌日から雨で、登山に行ったお客様は41人中4名だけでした。

滞在中は終日自由行動のツアーだったので、添乗員もやることが無くお風呂に入るくらいしかありませんでした。

雨も激しくなり外出も出来ずにいると土砂崩れが起きて道路が通行止めに。

その対応などでロビー待機していると、若い女性2人に声をかけられました。

こんな若い女性(しかもカワイイ)が泊まっていたなんて思ってもいませんでした。

混浴の露天風呂に入っていたのかな?なんて事も考えたりして。

その話は置いといて、1人の女性は仙台のJTBに勤めていて僕が添乗員と気づいて話しかけてくれたそうです。

翌日、彼女たちを含めマイカーで来ていた人は秋田経由で帰ることが出来たのですが、

大型観光バスは更に土砂崩れを起こしてしまうとの事で延泊となりました。

今の年齢なら温泉に何度も入れて湯治気分が味わえたでしょうが、

二十歳そこそこの僕には苦痛でしかありませんでした。

彼女たちと飲んだりできたら何泊でもしたいと思ったでしょうが、

緊急事態でそれどころではありません。

こういう延泊の場合、お客様が宿泊代を負担しなければなりません。

事情を説明して延泊代を全員から集金して宿に支払いました。

まだ駆け出しの添乗員なのに延泊なんてベテラン添乗員でも経験しないような事です。

4日目の朝、運転手さんバスガイドさんと4人で道路状況を確認に行くと、

運転手さんからこれなら行けそうだとの判断をいただき昼に出発することになりました。

念のため土砂崩れの区間は運転手さん以外は歩いて移動しました。

今考えると運転手さんの判断は正しかったのかわかりません。

運転手さんがバスごと谷底に落ちていたらと考えると怖いです。

お客様とバスと運転手さんを見守り、無事通過したときには皆さんから拍手が起こりました。

その後、東京駅で解散となりました。

 

お客様とはそれっきりですが、運転手さんとは一緒になることもありました。

 

そして、若い女性2人とは偶然にも清水の舞台で出会うのでした。

その話しは後日にします。

 

須川高原温泉